スノーボール(上巻)世界一の投資家ウォーレン・バフェットの姿

投資に興味を持ったのは今から半年程前。株式投資などの具体的には動いていませんが、そんな中に出会ったのがこの人。「株式投資」「成功」「世界一」というようなキーワードで検索するとすぐ出てくるので、この業界では超有名人です。

総資産は800億ドルを超えているようで(2018年現在)、いまなお現役とのこと。ちなみに800億ドルとは日本円で約8兆円です。

もはや想像の範疇を超えていて良く分かりません。仮に毎年1000万円づつ貯金しても、80万年かかる計算です。

投資についてど素人の私でもそのスゴさはひしひしと伝わってきます。そんな異次元の大物の思考や生き方、価値観などに興味を持って衝動買いしたこの本。

今読んでいる文庫では、上・中・下の三部構成となっています。今回、上巻を読んだ感想をご紹介したいと思います。

1 ウォーレン・バフェットとはどんな人?

1‐1 お金の収集が楽しくて仕方がない

1930年、アメリカのオマハ(ネブラスカ州)でバフェットは生まれます。

上巻では幼少期から青年期頃までの彼の生き方、考え方を知ることができます。私の勝手な第一印象としては、バフェットはお金を貯めることをゲーム感覚で楽しんでいるということ。

稼いだお金がすなわち獲得ポイント。このポイント集めが楽しくて仕方がないという感じ。お金を使う(消費する)より集めたい。

本を読み進める中で、お金を増やすための出費には出し惜しみしないのですが、単純な消費活動にはあまり興味がないのだろうということが伺えます。

これだけお金があれば毎回リッチな食事をとって、高級な衣服を身にまとい、アクセサリも大人買い…と想像しますが彼はマクドナルドを食し、車の運転や仕事の電話も自ら出るそうです。

こと株に関しては、決算書や報告書など重要な情報ほぼすべてに目を通すようです。

1‐2 1000の方法

ここで興味深いエピソードを一つ紹介します。

バフェットは幼くして(本書の中では1939年~1942年の出来事として書かれています)チューインガムやコカ・コーラを売り歩いていたようで、同時期に壜(ビン)のキャップや切手、コイン収集などにも精を出していたようです。こと”収集”することに興味があったことが伺えます。

そんな少年時代に「1000ドルも儲けるための1000の方法」という本に出会い、感銘を受けたと記されています。(1000×1000=100万㌦やん♫みたいなノリだったようです)

そして、ここで複利という雪だるま式にお金を増やすポイントの重要性に気づくわけです。早い段階で儲ければ儲けるだけ、稼いだ分をさらに投資に回せますもんね。

そして、驚くべきことに若干12歳(1942年)の頃には$120程稼いでおり、現在(2017年比較)の円換算で約18万円(※120*4.27*360)程度のお金です。

※各数値の参考
戦後昭和史より
4.27(1940年の円ドル:円の対米為替レート)
日本銀行QAより
360≒687.8(2017年企業物価指数)/1.912(1942年企業物価指数)
  
円換算にあたっては、上記の流れで計算しています。円ドルに関しては、1940年の値までしか記載がなかったのでそれを使用しています。1942年→2017年での円の価値換算にあたっては、企業物価指数を当時(1942年)と比較することで割り出しています。算出の仕方は各種あるようなのであくまで参考程度に。

1‐3 はじめての株の購入

さらにこの時期にはじめての株(3株程)を購入しているようです。さすがに知識は浅く、父親の仕事で扱っていた株を購入する程度。

しかし、購入後に株価が下がり含み損がでます。その後、株価がもちなおし、購入時より数ドル上がった段階で売り飛ばしています。

結果的に数ドルの利益は得たものの、その後株価がさらに急騰し悔しい思いをしているようです。

このように、早い段階でお金を稼ぐということに対して様々な経験をしており、知識として蓄えていることが伺えます。

2 バフェット氏から学べること

2‐1 圧倒的な行動力

とにかく稼げると思ったことには時間と労力を惜しまず注ぎ込んでいる印象を受けました。バフェットは記憶力がよく数字に強くて地頭の良さが際立ってはいるものの、それを生かすことができた最大のポイントがこの行動力ではないでしょうか。

良くも悪くもやってみる、その中で軌道修正しながら今のやり方を確立してきたように思います。「1000の方法」しかり、新聞配達や、肉体労働など本書の中では様々な仕事を積極的に展開し、体験していることが伺えます。

やれることからどんどんやってみる。経験から得られる様々な情報が次に生かせるはずです。

2‐2 ストイックな情報収集と分析力

幼少期の頃からバフェットは数字と情報収集が好きだったようで、印象深いエピソードが書いてあったのでご紹介します。

バフェットはある遊びに興じていたようで、どんな遊びかというとその名も「バスタブ障害物競走」。

やり方は、バスタブの淵から水を張った浴槽に数種類のビー玉を複数同時に落とします。それが水中に沈み、水を抜く栓の位置まで転がるのを観察します。

その際、かかる時間だったり、各ビー玉の順位がどうなるかを飽きずに観察していたとのこと。

同じやり方をしていても、結果が変わることに興味と疑問を持ったのかもしれませんね。本の中ではここで確率の概念を学んだと記されていました。

私は野球をやっていましたが、バッティングセンターで同じようなコースの玉が来て、同じようにバットを振っている(つもり)なのに結果が違う。当然毎回微妙な変化があるわけで、何度も繰り返すうちにどのような変化がどのように影響してくるかが徐々に分かってくるものです。

また、バフェットは株を購入する際、会社の情報ををわざわざその会社にいき、直接経営者の話を聞いたり、資料の閲覧をしていたようです。

自分の目と耳で確かめ、確実な情報をもって判断していたのだと思います。この点はすごく重要だと思います。仮に失敗しても、自分で得た情報から判断したため、その何が悪かったのかをより深く考察できるのではないでしょうか。

どちらにころんでも、長い目で見ればプラスになるということです。成功の裏には、人がやらないことにいかに力を注ぎ、自分で考えることが重要ですね

2‐3 アウトプット

バフェットは随所で投資について人に説明する機会があったようです。もちろん、自分が好きな分野なので、説明すること自体は苦ではないでしょうし、”稼ぐ”ということに関して興味を持つ人は大勢いると思うので、このような機会に恵まれるのは納得です。

人前で話すということは、私が思うにアウトプットの中でも難易度が高いものであって、これを繰り返すことで知識の定着、そしてさらに知識を深くしていったのではないでしょうか。

アウトプットの大事さは私自身も最近強く感じていて、インプットは好きな時間に好きなだけできますが、アウトプットはその機会がある程度限られてくるように思います。

世の成功者や要人はこのような機会を逃さず生かしている人たちではないでしょうか。

3 最後に

本書は株式投資の手法を紹介している本ではありませんが、世界一と謳われる投資家の生い立ちや考え方などを知ることで、自分の世界が広がり、投資に向けたマインド形成によい影響を与えてくれると感じています。

元手がないようでしたら、1,000円稼ぐ方法100ヶでも考えて実践してみますか。それができれば10万円です。1ヶでも2ヶでもとりあえず動けば2,000円になるかもしれません。その途中でよいアイデアが生まれ、雪だるま式に資金を増やせるかもしれません。

資産形成(運用)といっても何から始めればよいのかさっぱりわからず、資金も知識もたくさん必要ではないかと思ってしまいますが、できることから始めればOKなのではないでしょうか。とにかく始めることが結局は一番近道かもしれません。

ここでは本書の良さを余すことなくお伝えすることはできませんが、とても面白い本でおすすめです。投資に興味のある方はぜひ一読されてはいかがでしょうか。中・下巻についても改めてご紹介できればと考えています。

最後に本書で紹介されていた私が好きなバフェット氏の言葉で締めたいと思います。

二番手になって真似をするという人生をおくるのは簡単だが、一番手が間違った音を吹いたらそれはだいなしになる

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